数独の解き方と解析ソフト(お爺さんのナンプレT)

上級編


 中級編をマスターすれば多くの問題が解けますが、特殊テクニックを使用しないと解けないレベルの高い問題も存在します。中級編までの技法は全てのナンプレ問題に適用可能ですが、上級編技法は適用できる条件が一致した場合のみ適用できる特殊なものです。技法上の中級編との根本的な違いは、上級編では他のエリアの条件・制約を当該エリアの数字の決定に旨く利用することにあります。上級編の問題を解くには40分から2時間程度かかる場合もあります(時として、理詰めで解けない場合もあります)。

1.上技法1(3マス決め・3エリア)    (注)XYウイングとも呼ばれます。
 3マス決め・3エリアの技法とは、対称的な3つのエリアにある3マスにより誘導して、対称的位置にあるマスを決定する技法です。上技法1(3マス決め・3エリア)は、
 @対称的3エリア
 A異なる2ケタの3数字
 B2回づつ出現  で有効になります。
ですから45-57-47の組み合わせはOKですが、45-45-47や45-457-457は適用できません。

 【上級・例題1】                      
     
*解答手順
初級編と中級編の解析技法で、次の結果が得られます。

 黄の3つのマスに注目すると、45-57-47の数字になっています。これが同じエリア、同じ列、同じ行なら中級で学んだように、3つの数字を占有します。ところが対照的な異なるマスで出現した場合には、以下の証明のように適用が可能です。結果としてB(4c)は3に決定します。これが判れば後は中級編の知識で簡単に解けます。



この例題は解析ソフトでは、レベルは試行錯誤を必要とするする上級で2.4秒かかります。
【解答】 
     


2.上技法2(4マス決め・2エリア) 
 4マス決め・2エリアの技法とは、対称的な2エリアの4つのマスから誘導して他のエリアの空きマスを決定する技法で、比較的適用頻度の高い技法です。

 【上級・例題2】                   
     

*解答手順
中級編の数記入をした状態です。緑は1の入る可能性のあるマスです。

左のエリアGには2列に2マス、真中のエリアHには6列に3マス、右のエリアIには7列に2マスあります。左と右のエリアはhi行2マスしか入りませんので、左G(2h)に1が入れば、右I(7i)に1が入ります。また、左G(2i)に1が入れば右I(7h)に1が入ります。従いまして真中のエリアHの1が入れるのはH(6g)しかありません。
 このように他の2エリアの4マスからから決められる技法を上技法2(4マス決め・2エリア)といいます。

これが判れば、あとは簡単に解答できます。

この例題は解析ソフトでは、レベルは上級で0.5秒かかります。
【解答】
           

3.上技法3(4マス決め・4エリア) (注)Xウイングとも呼ばれます。
 4マス決め・4エリアの技法は対称的な4エリアの4マスより誘導して、他のエリアの空マスを決定する技法です。

 【上級・例題3】                    
             

*解答手順


b,h列の7に注目します。それぞれ7が入るマスは2,6列です。下のようにA(b2)に7が入れば,H(h6)には7が入ります。同様にG(h2)に7が入れば、B(b6)は7になります。即ち2列にはいる7はA(b2)とG(h2)に限定されますのでD(e2)に7が入ることはありません。従って、D(e2)は1になります。
これが判れば、あとは簡単に解答できます。このように4つのエリアにある4つのマスにより決定されますのでこれを上技法3(4マス決め・4エリア)といいます。


 
この例題は解析ソフトでは、レベルは上級で0.6秒かかります。
【解答】
             


4.上技法4(制限マス法)
 制限マス法とは、あるエリアにある数字が自分のエリアの入るマスを制限することにより数を決定する技法です。それぞれの例を確認してください。

【上級・例題4-1】
この例題では6と★に注目です。6の入る可能性のあるのは4つの緑のマスC(7c)、C(9c)、F(7e)、F(9e)に限られます。CとFの7列と9列いずれかに6が入ります。従って★には6が確定します。
  ★⇒6
【上級・例題4-2】
Gエリアの★と2に注目します。2の入らないマスは黄で示しています。緑で示したb行で2箇所、e行で2箇所に2が入りますので、Gエリアの2列には2は入りません。従って★は2に決定します。
★⇒2

【上級・例題4-3】
 エリアIの★と5に注目します。5の入らないマスは黄で示していますが、5の入る可能性のある緑のb行、e行、h行に注目します。下の例でわかるように、5列、7列、9列のいずれかに5が入ります。エリアIの5の入るのは★しかありません。★は5になります。
 ★⇒5


【上級・例題4-4】
エリアHと8に注目します。Hで8の入る可能性があるのは3マスです。仮定法になりますが、それぞれのマスに8を入れてみますと、全てのケースで★には8が入ります。


5.上技法5(仮定法) (注)試行錯誤法、仮置き法、IFとも呼ばれます

 初級編・中級編・上級編の知りうる全ての技法を用いても解決できない場合には、伝家の宝刀である仮定法を用います。可能性のある数を”仮置き”して解析プロセスを進めます。仮置きが正しければ正常に終了しますが、仮置きが間違えた場合には途中で矛盾が発生しますので、仮置きした数が間違えていることを知ることが出来ます。1回の仮置きで終了しない場合には、2回目の仮置きをする必要があります。仮定法を使用すれば、時間はかかりますがナンプレは必ず解けます。技法を用いる理詰めの解析が”頭脳労働”とすれば、仮定法は”肉体労働”です。ナンプレの精神からして、仮定法は最後の手段です、伝家の宝刀を常用していたのでは、もはや伝家の宝刀とはいえません。

  【上級・例題5】 


*解答手順
すべての技法を用いてもこれ以上進めません。

仮定法で黄色のマスE(6e)の28のうち、仮置きで8とします。途中で8列に2が2つ発生し、矛盾が生じました。8の仮置きが間違えていたことが判りましたので、2をいれます。

                             【解答】

2を仮置きしますと、正常に終了します。